束草博物館  

 

世の中で不思議なことが毎日どこかで起っています。人によって不思議だと思うことは違います。私にとって不思議なことはなぜかある場所である時間にある人と出会ってしまうことです。どうして、そのようなことが起こるんですか?それは縁というものでしょうかか、あるいはただの生活のリズムでしょうか。

イマヌエル カントと言うドイツの有名の哲学者は規則正しい生活習慣で知られています。毎日決まった時間に決まった場所を散歩します。時間が正確なので、人々はカントの姿を見て時計を直したと言われます。

学生時代に寮に住んでいたことを思い出しました。その頃、私は毎日晩御飯の後、寮の周りでルームメートと散歩をしていました。近くの寮Aではある一人の男子学生がいつも美味しそうな晩御飯を作っています。ちょっと歩いたら、その隣の部屋の男女二人は食べながら楽しそうにしゃべっています。道を曲がると寮Bが見えます。その中では男性が一人で体を鍛えています。毎日ほぼ同じ場面が目の前に現われます。そのため、私は人間の規則性を実感しました。

今も仕事に行くとき、電車で高校生たちに会い、あるいは道で自転車に乗るかっこいい男性と擦れ違います。またある時は、孫を連れて保育園に行くおじいさんを見掛けます。私はその人たちの顔しか知りませんが、一年半に渡ってずっと道で会うので私にとっては彼らはただの人ではありません、友たちのような親しみを感じます。

でも、人はその親しい感じに騙されることもあるかもしれません。以前、勤めていた会社の近くのコンビニへ良く行くので、店のご主人は親切にしてくれ、私もご主人に対して友達みたいな好意を持っていました。ある日、自宅の近くのコンビニに入った途端、どこか親しい顔を見かけました。なぜかその人と親友のように感じましたが、良く考えると会社の近くのコンビニの主人にとても感覚がにっているのでした。

人はいつもの行動から離れ、いつもの場所から離れると良く知っているはずの人のことも分からなくなります。また分かったような気がしても赤の他人だったりするのです。

  首爾  

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